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故人が散骨を望まれ、家族はお墓を希望される場合

故人が散骨を希望していたとしても、残された方々がいつまでも近くにいてほしい、合いに行く場所がほしいという気持ちは、ごく自然なものです。

この場合は、分骨をして一部はお墓へ、一部は散骨するという方法が考えられます。

遺言として散骨を希望されていた場合でも、法的効力がある事項ではないため、遺族の気持ちを重視してお墓を建てても問題はありません。ちなみに遺言として法的効力があるのは、(1)相続財産についての事項、(2)身分に関する事項、(3)その他、祭祀の主催者や遺言執行人の指定、の3つに関わるものとなります。

また、散骨とは、ご遺骨を自然にかえすもので海や山などにご遺骨を細かく粉砕した上で撒くことをいいます。

山の場合はその土地の所有者の承諾を得る必要があり、法的な規制がないからといって、勝手に散骨するわけにはいきません。海の場合も細かな条件がありますので、お寺にご相談されることをおすすめします。

 

埋葬のかたち「納骨堂」

納骨堂は、遺骨を保管しておく建物・屋内施設のことで、霊堂や納骨室などとも呼ばれることのあります。
土地の少ない東京都内のお寺などでご提供されていることが多くあります。

納骨堂の中は遺骨を入れた骨壺を保管しておく納骨壇が置かれ、上段に位牌を安置する祭壇(仏壇)がついているものもあります。

埋葬のかたち「永代供養墓」

永代供養墓は、お墓の承継者がいなくても、管理するお寺が永代にわたり供養するお墓です。

一般的なお墓はそのお墓を承継する人が絶えれば、一定の手続きを経た上で無縁墓として改葬されますが、永代供養墓の場合は弔い上げ(33回忌、50回忌)になるまで責任持って僧侶等に供養され、安置されることになります。

【永代供養墓の主な特徴】

(1)誰かがお墓参りしなくてもお寺が責任を持って永代にわたって供養と管理をしてくれる
(2)一式料金を一度支払えば、その後管理費、お布施(お塔婆代など)寄付金など一切費用はかからりません
(3)宗教宗派が不問の場合がほとんどです
(4)共同墓の場合は墓石代がかからないため割安になるなど、一般のお墓と比べて料金が安いことが多くなっています

カロートがいっぱいになったときは

カロートとは、お墓の墓石の中で遺骨を納めるところ(納骨室)のことです。

従来は墓石の下に作られましたが、近年は、地面より上につくられるケースもあるようです。大きさは様々ですが、5~6個の骨壷が納められる、1立方メートルぐらいのものが多いようです。

カロートは石製、コンクリート製が多いですが、底の半分あるいは一部は土になるようにつくられたものもあります。これは遺骨がいっぱいになったとき、古いものから土に還していくことを想定したものです。

カロートがいっぱいになってしまって、底がコンクリートで土に還せない場合は次のような方法が一般的です。

(1)別にお墓を作るか、永代供養墓に一部を移す
(2)遺骨を粉砕して粉末状にして容量を減らす(遺骨を粉末にすることに抵抗がある方がいるかもしれませんが、仏教としては問題ありませんし、散骨などでは必ず、手元供養でもたいていは粉骨にするものです)

郷里の両親のお墓を無縁墓にしたくない

無縁墓とは、継承者の所在が不明で放置されている状態のお墓のことをいいます。無縁墓と認定されると、遺骨は取り出されて無縁供養塔などに入れられ、他の仏様と一緒に合葬されることになります。

無縁墓にしないですむ方法として、永代供養墓にすることや、お寺に永代供養をお願いすることが上げられます。

ただしその場合も弔い上げ(33回忌、50回忌)になったら、他の遺骨と一緒に合葬されることが一般的です。

まずはお墓を管理する霊園やお寺の僧侶相談することが大切です。墓地埋葬法の施行規則の改正など、時代によって法律も変わることもあります。新たな管理方法があるかもしれませんし、対応策を一緒に検討してくれるでしょう。

分骨をする場合

分骨とは、遺骨の一部を他の墓地に移すこと。つまり複数のお墓に分けて納めることをいいます。

また広い意味では、一部だけを散骨したり、手元に残したりすることも分骨の一種とされています。

都市で生活する人が増えたこともあり、郷里のお墓が遠くて墓参ができないという理由から、分骨を希望する方が増えています。また、手元供養や散骨などの要望から分骨を希望する人も多いようです。

分骨に必要な手続きは次のようになります。

埋蔵前の分骨は、分骨用の小さい骨壷を用意し、遺骨を分骨します。分骨時は僧侶に読経していただきますので四十九日法要等に合わせると良いでしょう。

また、埋蔵後の分骨は骨壷の用意は同じで、僧侶に読経して頂いて遺骨を取り出して分骨します。本骨はそのお墓に戻しておきます。この時の遺骨の作業に石材店への依頼が必要な場合もあります。

その後、僧侶に、「分骨証明書」を書いてもらいます。これがないと新しいお墓に納骨出来ませんのでご注意ください。

改葬の注意点と費用

お墓の引越し改葬は、移転元のお墓から移転先のお墓へ、埋葬されている遺骨を移すことです。郷里のお墓から、現在の住まいの近くに墓所をもとめて移転することが多いようです。
注意点としては、墓石を移設する場合、それを許可していない霊園がある場合や、寸法の違いによる制限があることも少なくないため、移設先の霊園に前もって相談しておくと良いでしょう。

【お墓の引越・改葬にかかる費用】

(1)今あるお墓の撤去費用:撤去工事を多くは地元の石材店に依頼します
(2)石碑の運搬費用:移動する場合のみ必要になります
(3)移転先の墓地の永代使用料:その霊園・お寺の管理者に支払います。永代使用料とは墓地の区画を永代にわたって使用してよいという権利を得る為に支払う使用権料です
(4)移転先の墓所の工事代金:墓石を移設する場合も、新しく建てる場合も、新しいお墓の石材店に依頼します。
(5)その他の費用:改葬許可申請費用、お墓の撤去・お墓の建立・納骨の際の宗教儀式にかかる費用など

お墓の引越・改葬に必要な手続き

改葬手続きの・流れは一般的に以下のようになります。

(1)新しいお墓を建てます。
(2)新しいお寺・霊園で、墓地利用許可書を受け取る
(3)受入証明書を発行してもらう(東京○○霊園管理事務所より)
(4)旧墓地のある市町村役場に行くか電話して、改葬許可申請書をもらいます。
(5)旧墓地の管理者(お寺の墓地であればお寺の住職、公営霊園であれば市役所もしくは墓地の管理人、民間霊園であれば管理事務所に、書類に記名捺印してもらいます。
(6)旧墓地のある市町村役場に行って、改葬許可証を発行してもらいます。(これで改葬許可書が完成です)
(8)改葬許可書をもって、新しいお寺・霊園に赴き、納骨の日時の相談をする。
(9)新しいお寺・霊園で供養・入魂式を行い、改葬の終了です。

お墓の引越の流れ

「お墓が遠方のため、お参りの足が遠のいてしまう」、「往復の交通費の負担が大きい」、「子どもが小さく、遠方への移動が厳しい」などの、お墓へのアクセスの理由や、「遠いと十分なお墓の掃除ができない」、「複数のお墓をひとつにまとめたい」、「お墓参りなどで、子供たちの負担にならないように近くにしたい」などの理由から、お墓を近くに引越される方が増えています。

お墓の引越(改葬)を行うには、市区町村長に改葬申請を行い、許可を得るなどの公的な手続きも必要になります。

【お墓のお引越】

(1)新墓所の購入 (2)新墓所の管理者から「受入証明書」を発行  (3)改葬許可申請書の記入旧墓地所在地の役所で「改葬許可申請書」を受け取る  (4)改葬許可申請書への署名をとる。  (5)書類の提出・改葬許可証の発行。 (6)供養・抜魂式を行う。 (7)新しい墓地へ移します。

お墓のリフォームは誰に頼んだらいいの

お墓は耐久性の高い石材を使用していますので、建てて数年で破損が起こることはほとんどありません。

しかし長い年月を経て、自然の影響によるシミやヒビ割れ、傾きなどが生じ、少しずつ劣化が進行していきます。劣化が進むと、見た目だけでなく安全性にも問題がでてきますから早めに対処するようにしましょう。

またリフォームにも、建て替えするような大きなリフォームと、部分的に補修するなどの小さなリフォームとがあります。相談する相手は、お墓を建てたときの石材店に頼むのが一番良いでしょう。

石材店に相談し、お墓のコンディションを見てもらえば、キレイに長持ちさせるために、どこをどうリフォームするのが良いか、診断書や見積書を用意してもらえます。